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亀田大毅 vs 内藤大助



正直、見てるのが辛いほど酷かった。


巷を賑わせている、セコンドの反則教唆や自身の愚行。
其れに対する批難は敢えてここで詳しく述べるまい。

勝つ為になりふり構わないのは、どのスポーツでも大なり小なり見られること。
反則もバレなければテクニックの一つと言われるものだ。特にボクシング界では。
チャべスもホリフィールドも、ある意味反則、若しくは反則ギリギリの攻撃が上手い選手だった。

だが、ど素人でもボディスラムは反則だと分かる(笑)。
アホとしか言いようが無い。


今回の件で一番問題だと思うのは、この様なタイトル戦が「組まれてしまう」現実だ。


マスコミに対し大言壮語しながら、「キンギョ」を相手に無敗でKO率の高いレコードを積み上げるマッチメイク。
メディアをうまく巻き込んで注目度を集め、テレビ局をバックに世界挑戦権を得る。
それもプロモーションの手法であり、頭ごなしに否定出来る事ではない。

非難されるべきは、斯様な方法での世界挑戦が「出来てしまう」システムしか持たない認定団体及びJBCだろう。





そもそも、亀田大毅は内藤に挑戦出来る「格」じゃない。





内藤は日本タイトル、OPBFタイトルと段階を踏み、弱小ジムから苦労して世界戦に漕ぎ着けた。
過去負けた相手はポンサクレックのみ。
ポンサクレックといえば、67戦64勝33KO 11年無敗 17連続防衛という途方もない記録を持つ怪物。
現フライ級では間違いなく最強の選手だ。

そのポンサクレックを再々戦で圧倒してのタイトル奪取。

だが弱小で金も無い宮田ジムに所属する内藤は、ポンサクレックとの死闘から僅か3ヶ月足らずで防衛戦を行うこととなった。
相手はTBS+協栄ジムという巨大な資本をバックを持つ亀田大毅。




一方、挑戦者亀田大毅の戦績はどうか?

■第一戦■
対サマート・シットサイトン(タイ)
1R23秒KO勝利

この選手はJBCから2006年度の招聘禁止選手リストに挙がっている。
招聘禁止選手とは、来日成績が未勝利かつ、KO負けや無気力試合の末の大差判定負けが続いている選手。
所謂、金で星を売ると見なされた選手である。



■第ニ戦■
対ウィド・パエス(インドネシア)
1R1分45秒KO勝利

この選手は当時インドネシアの「マイナー団体」王者として紹介されたが、何の王者か良く分からず終い。



■第三戦■
対バレリオ・サンチェス(WBCスーパー・フライ級21位)
判定勝利(2-0)

サンチェスは当時36歳、34戦17勝、勝率僅か5割。
つまりは勝ったり負けたりが半々の選手。
WBCが20位以下にもランキングを付けてたとは・・・。



■第四戦■
対モハマド・サディック(インドネシア ライトフライ級4位)
1R37秒KO勝利

モハマド・サディックは当時33歳、正確に確認しうる公式試合記録は7戦0勝。
一度も勝った事が無いのに何故か4位・・・。



■第五戦■
対ビッキー・タフミル(当時WBAライトフライ級4位)
3R1分18秒KO勝利

この選手は当時32歳、33戦31勝10KO2分。
亀田大毅の戦績の中で、唯一真っ当な相手。
大穀のボディーブローを受けダウンしたにも関わらず、満面の笑顔を湛えたまま寝そべり、10カウントを確認した直後に何事も無かったようにに立ち上がった。
色々物議を醸した試合。



■第六戦■
対クリストファー・テポラ(フィリピン スーパーフライ級12位)
2R2分21秒KO勝利

彼の戦績は22戦9勝・・・。勝率僅か4割。
でも何故かフィリピンのランキング12位。



まともな世界ランカーはたった一人。それもよく分からない勝ち方。



この戦績で何ゆえ世界14位にランキングされるのか?
しかも、10位以内にいない選手は本来世界王者へのコンデターたり得なかった筈だ。

多額の世界戦承認料が入る為、大した戦績も無い日本人選手をやたらランキングに入れてしまうWBC。
また王者側も、資金豊富で且つ弱い日本人選手を相手に防衛記録を伸ばし、財を成す。
ミハレスもムニョスも桁外れに強いことは認めるが、何か釈然としない。

暫定王者の乱発も最近頓に見苦しい。
ビジネスが王者の権威を失墜させている事に気付いて欲しい。

日本タイトルを最低3度は防衛した選手を、JBCが自信を持って国内最強として世界戦に送り出す。
そのような制度というかシステムが必要なのではなかろうか?




兄興毅ならいざ知らず、世界戦直後にこんなグリーンボーイと戦う羽目になった内藤。


内藤も決して器用なボクサーではない。
天性の当て勘がある訳でも無ければ、それ程ディフェンスに長けている訳でもない。
前後の足が速い訳でも無く、多彩なコンビネーションを使いこなすタイプでもない。

だが一目見て、物凄く研究し、工夫しているのが分かるボクシングだ。

超変則的なオーバーハンドライト、独特のレバーブロー、コーナーでのインサイドワーク。
もう、見るからにやり難そうな相手だ。



一方の亀田大毅はあまりに無策だった。



兄興毅も左右の動きが無く、前後だけだが、大毅は「後」も無い。

がっちりガードを固めてロープ際に追い詰め、左右のフックを乱打。
ダッキングやスウェーはおろか、ウィービングすら行わず、ディフェンスはブロッキング一本。
あれではパンチを貰う事も無いだろうが、自分のパンチを当てる事も難しい。
ジャブも殆ど使わないので、ロープ際でしか自分の距離を作れない。

パンチはありそうだが、技術的には殆ど見るところが無い。

一般的にハードパンチャーとされるマイク・タイソンの真骨頂は、実はそのディフェンスにある。
がっちりガードを固めたまま、縦横無尽のウィービングで相手のパンチを空転させ、信じられない体勢からパワフルなコンビネーションブローを放つ。
フックをウィービングでかわし、サイドから右ボディ、そのまま右アッパー等という誰も真似出来ないコンビネーション。


亀田大毅のそれは、ただ強引なだけだ。


兄も才能を感じさせるボクシングとは言い難いが、その言動と裏腹に、物凄くコンサバティブなボクシングに徹していて、それはそれで見るべきものがある。
しかし、基本的に同じスタイルを踏襲する大毅はあまりに「雑」。


正直なところ、早い回で内藤がKOするのでは?と思っていたが、想像以上に大穀が無策、且つ雑でボクシングにならなかった。
フライ級であれだけガード固められたらKOは難しい。
頭を両手で完全ガード+超前傾姿勢でボディへの距離を作るスタイル。
体力と頭突き?でロープ際に押し込んでいけば、32歳で、且つ前回の試合から間もない内藤が、後半スタミナをロスすると踏んだとすれば…余りに浅はかだった。
タイトル戦を何回も経験している内藤のコーナーワークは甘くない。




永久追放?




放っておけばいい。あのレベルでは日本タイトルも取れまい。
by hidetoshi_ota | 2007-10-15 23:52 | 格闘技
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